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反射する層

2020年

インスタレーション|鏡、浮き、鉛ほか|10mの池の中に作品を設置

 

池は、穴に水がたまっているものである。
しかし水面に反射する映り込みのせいで、実際池の奥はよく見えない。
穴の深さや中身、穴の中に何が住んでいるのか、
そしてどこかに繋がっているかもしれない、別の穴のことも見えていない。

物事には奥行きがあり、池のような状態をわたしたちは日々経験している。
外見や表面は見えていて見たつもりになっているもの、
奥まで見えていないのにわかったつもりになっていること。

何かと何かの間には層があり、観察するとグラデーションが見えてくる。
グラデーションをたどることで、見えない奥へ目を向け想像することができるかもしれない。そうすることで何かと何かの間にゆるやかな階段が生まれ、物事の間をゆっくりと登ったり降ったり行き来することができるのではないか。

「BENIZAKURA ART ANNUAL 2020」紅櫻公園/札幌

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